| <メッセージ> |
| ●「すべてを語れ」 |
| 「わたしがあなたを、だれのところへ、遣わそうとも、行って、わたしが命じるこ |
| とをすべて語れ。」 |
| 主の厳しい言葉です。 |
|
| どうして恐れずにいられるでしょうか。 |
|
| 恐れる者に主は言われます。 |
| 「わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す」 |
| |
| エレミヤに言われた主の言葉を、わたしに言われた言葉として聞きます。 |
| |
| ●召命 |
| それは南ユダ国の王ヨシヤの治世13年、国が滅亡へ向かっていく時代のこと |
| でした。 |
|
| エレミヤに突然主の言葉が臨んだのです。 |
| 「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。母の胎から |
| 生まれる前に、わたしはあなたを聖別し、諸国民の預言者として立てた。」 |
|
| 何ということでしょうか。 |
|
| エレミヤは恐れおののきます。 |
| 「ああ、わが主なる神よ、わたしは語る言葉を知りません。わたしは若者にす |
| ぎませんから。」 |
| わたしには出来ない、そんなことは出来ない。 |
| |
| ●尻込みする者を立てられる |
| それはエレミヤが若者だったからだけではないでしょう。 |
|
| 若者でも、主の召命を受けた時、主の言葉によって奮い立つ者もいます。 |
| 若いからこそ出来るということがあります。 |
|
| けれどもエレミヤはそういうタイプではなかったようです。 |
| おとなしい性格で、内気で、人々の後ろで静かに暮らしていたい人でした。 |
| |
| ところが、主はエレミヤを選ばれたのです。 |
| 主の召しを受けて尻込みするような人を、預言者として立てられるのです。 |
|
| ●共にいる |
| 「わたしは若者にすぎません。」 |
| と尻込みするエレミヤを、主は「わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す」 |
| と励まされます。 |
|
| 「わたしは語る言葉を知りません。」 |
| というエレミヤに、言葉を授けられます。 |
| 「主は手を伸ばして、わたしの口に触れ、主はわたしに言われた。「見よ、わた |
| しはあなたの口に、わたしの言葉を授ける。」 |
| 主が手で触れてくださっている。 |
| 口に触れてくださる主の手のぬくもりを、エレミヤの体が覚え続けます。 |
|
| 主はエレミヤを主の言葉を語る者として立たせられました。 |
|
| ●主の言葉の権威 |
| エレミヤはひたすら主の言葉を聞き、聞いた言葉を人々に語っていきます。 |
|
| 預言者は自分の考えや意見を語るのではありません。 |
| ただただ主の言葉を聞いて語るのです。 |
| 預言者の言葉の権威はただこの一点にあります。 |
| 自分に権威があるのではない、主の言葉の権威のみがあるのです。 |
|
| この一点に立つ時、預言者はもはや自分を問いません。 |
| 自分がどんなに弱くても、恐れていても語るのです。 |
|
| 主はエレミヤを、イスラエルだけではなく、諸国民、諸王国に対しても主の言葉 |
| を語る預言者とされたのでした。 |
| 「わたしがあなたを、だれのところへ、遣わそうとも、行って、わたしが命じるこ |
| とをすべて語れ。」 |
| |
| ●アーモンド |
| 主は、エレミヤが見ているものを通しても語られました。 |
|
| ある日、エレミヤは道を歩いていたのでしょうか。 |
| アーモンドの木があります。 |
| 5mにもなる大きな木です。 |
| 今もおいしいおいしいと言って食べているアーモンド、ありふれた木です。 |
| ヘブライ語ではシャーケードといいます。 |
| 何気なく見ていた木でしたが、この時ショーケードという言葉が聞こえてきた |
| のです。 |
| 「わたしは、わたしの言葉を成し遂げようと、見張っている(ショーケード)。」 |
| 主の言葉です。 |
|
| 『自分は孤軍奮闘するのではない。 |
| 主の言葉を成し遂げてくださるのは主だ。』 |
| 主が見張っておられる、見ておられることが、わかりました。 |
|
| ●煮えたぎる鍋 |
| またある日、夕食時だったのでしょうか。 |
| お鍋が煮えたぎっていました。 |
|
| 鍋を見ているエレミヤに、主が語られます。 |
| 「北から災いが襲いかかる、この地に住む者すべてに。」 |
|
| 南ユダ国に起ることが告げられたのでした。 |
| それは民の悪に対する裁きなのです。 |
|
| ●遣わす言葉 |
| エレミヤは民に語っていかなければなりません。 |
| 主の言葉を語っていかなければなりません。 |
| その言葉は民が喜ぶ言葉ではありません。 |
| 民はエレミヤを苦しめるでしょう。 |
|
| 主の言葉を語るために遣わされていくエレミヤに、もう一度主は言われます。 |
| 「 1:17あなたは腰に帯を締め、立って、彼らに語れ、わたしが命じることをすべ |
| て。彼らの前におののくな、わたし自身があなたを、彼らの前でおののかせる |
| ことがないように。 |
| 1:18 わたしは今日、あなたをこの国全土に向けて、堅固な町とし、鉄の柱、青 |
| 銅の城壁として、ユダの王やその高官たち、その祭司や国の民に立ち向かわ |
| せる。 |
| 1:19 彼らはあなたに戦いを挑むが、勝つことはできない。わたしがあなたと共 |
| にいて、救い出す」 |
| ページの上に戻る |
| ●主の言葉を聞く |
| エレミヤは遣わされていきます。 |
| 預言者として立たされて40年、エレミヤの人生は、預言者として立たされたが |
| ために味わわなければならなかった苦しみの人生でした。 |
|
| ともすれば逃げ出したくなる。 |
| この弱さこそが、主がエレミヤを召された理由でした。 |
|
| 全く自分に頼ることが出来ない、主の言葉を聞いていくしかないのです。 |
|
| 主の言葉を聞くことこそが、最も重要です。 |
| 他のどのような力も能力も必要ないのです。 |
| むしろ主の言葉を聞くことの妨げになります。 |
|
| エレミヤは常に主の言葉を聞き続けました。 |
| そして主がエレミヤの口に授けられた主の言葉を語っていきました。 |
|
| ●原点 |
| 今日私達が読んでいる箇所は、エレミヤの原点です。 |
|
| エレミヤは幾度も幾度も、主から召命を受けたこの時に立ち戻ります。 |
| くずおれる心を建て直します。 |
| 「わたしがあなたと共にいて、救い出す」 |
| という言葉を聞くのです。 |
|
| ●私達 |
| エレミヤのことを、預言者として立たされた特別の人のこととして見ていていい |
| のでしょうか。 |
| わたしはそんな召命は与えられていないと、少しほっとした気分で、他人事と |
| して眺めていていいのでしょうか。 |
|
| そうではないでしょう。 |
| 主はエレミヤを通して、あなたに、わたしに、言っておられるのです。 |
| 私達はわたしに語られる主の言葉を聞くのです。 |
|
| ●主が造られた |
| 主は言われます。 |
| 「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。」 |
|
| わたしは何のために生まれてきたのか。 |
| 何のために生きているのか。 |
| どのように生きればいいのか。 すべての人が心の深い所に抱えている問い |
| です。 |
|
| 主なる神は言われます。 |
| 「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。」 |
| 神様が、私たち一人ひとり、すべての人々を造られたのです。 |
| 神様は目的を持って、ひとりひとりを造られました。 |
| ひとり一人にその人がするようにと神様から託された役割があるのです。 |
|
| けれども私達はなかなかそれがわかりません。 |
| 何のために自分が生きているかわからない、とつぶやきます。 |
| |
| ●「はい」と言えない |
| 神様が「あなたはこれをしなさい」と言われた時、私達はなかなか「はい」と言い |
| ません。 |
| 何かかにかと理由をつけて、引き受けまいとします。 |
|
| 「ああ、わが主なる神よ、わたしは○○を知りません。わたしは○○にすぎませ |
| んから。」 |
|
| 私達は何としばしばこういう言葉を口にしていることでしょうか。 |
| こういう言葉を聞き続けて、神様はうんざりしておられるのではないかと思うほ |
| どです。 |
|
| ●神に頼る |
| 神様は言われます。 |
| 「○○にすぎない、と言ってはならない。」 |
|
| ○○にすぎない、というのは、自分でしようとしているからです。 |
| 私達はいつも自分に頼っています。 |
| だから、出来ない、とんでもない、と言うのです。 |
|
| 主の言葉はそういう考え方を壊します。 |
| 主はエレミヤに言われました。 |
| 「わたしがあなたを、だれのところへ、遣わそうとも、行って、わたしが命じるこ |
| とをすべて語れ。」 |
|
| 主は、自分では『わたしは出来ない』と思いこんでいることを命じられます。 |
|
| わたしには出来ないと思うことをしなければならない時、初めて人は主に頼る |
| ようになるのです。 |
| 自分で何とか出来るうちは、決して主に頼ったりはしていません。 |
| せいぜい、わたしが出来ますようにと祈る程度です。 |
|
| 主は私達を自分では出来ない使命へと送り出されます。 |
| 主は言われるのです。 |
| 「彼らを恐れるな。 |
| わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す」 |
| わたしがいるから大丈夫、 |
| わたしがあなたを救い出す、 |
| と言われるのです。 |
|
| ●暮らしの中で |
| そして実際、主はいつも共にいて語りかけてくださいます。 |
| 私達は、今まで気付かなかったこと、当たり前と思っていたことが、主の業で |
| あったことに気付くのです。 |
|
| エレミヤは、アーモンドの木から、煮えたぎる鍋から、主の言葉を聞いたので |
| した。 |
|
| 私達も暮らしの様々な場面から、主の言葉を聞くことが出来るようにしていた |
| だけます。 |
| |
| ●人生 |
| 主は、私達ひとり一人を造られました。 |
|
| これまでの人生を振り返ると、 |
| 苦しいこと、悲しいことがたくさんあったことでしょう。 |
| こんなはずではなかった、と思うことがあったでしょう。 |
| 自分の願ったとおりの人生ではなかったかもしれません。 |
|
| けれども主は言われるのです。 |
| 「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。」 |
| わたしを造られたのは主なのだ。 |
| 主はわたしを造る前から、わたしを知っておられた。 |
| わたしの人生すべてが、主の中にすべて覚えられ、納められていることを知り |
| ます。 |
|
| 『そうなのだ。 |
| わたしの人生は、これで良い。』 |
| と受け取ることが出来ます。 |
|
| ●遣わされる |
| 私達はけさ主の言葉を聞いています。 |
| |
| わたし自身は弱い者、何も知らない者、何も出来ない者、逃げ出したい者です。 |
| 主はそれを全部ご承知の上で、私達ひとり一人を呼んでおられます。 |
|
| 私達は、今生きているそれぞれの場所に遣わされていきます。 |
|
| 私達が住んでいる世界は、これからどうなっていくのかわからない状態です。 |
| 殺し合い、脅し合いが続く中で、みんな、不安と恐れを抱きながら生きています。 |
| エレミヤの時代とそっくりです。 |
| |
| その中で私達は主の言葉を聞いていくのです。 |
| |
| 主の言葉によらなければ、何も出来ないわたしです。 |
| ひたすら主の言葉を聞いていきます。 |
|
| ●結語 |
| けさ、私達は主の言葉を聞いています。 |
| |
| 主は言われます |
| 「わたしがあなたを、だれのところへ、遣わそうとも、行って、わたしが命じるこ |
| とをすべて語れ。 |
| 1:8 彼らを恐れるな。わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す」 |
| ページの上に戻る |