| <メッセージ> |
| ●受難週 |
| 受難週を迎えました。 |
| 神の子イエス・キリストが人として生きられた最後の1週間です。 |
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| この1週間の間に何があったかを、聖書は詳しく記しています。 |
| イエス様に関わったたくさんの人達のことも記されています。 |
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| ●喜び迎える群衆 |
| エルサレムの町に入ってこられたイエス様を、喜び迎えた人たちがいました。 |
| その様は、オリンピックでメダルを取った人達のパレードを見ようと集まった人 |
| 達とそっくりです。 |
| 葉のついた木の枝をふり、万歳と叫んでイエス様を迎えました。 |
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| ●祭司長、律法学者 |
| イエス様のことを良く思わない人達もいました。 |
| 神殿を司ってきた祭司長達や、律法を人々に教えていた律法学者達です。 |
| 彼らは神に仕える人達です。 |
| 神の律法の番人です。 |
| この人達が、今まで人々を指導してきたのでした。 |
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| 彼らは思いました |
| 『イエスという男は、自分達とは違ったことを言う、違ったことをする。 |
| そのイエスに人々が心惹かれている。 |
| ほっておいたらとんでもないことになる。 |
| イエスを葬り去らねば』 |
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| 彼らは、掟を守らない、今までのしきたりを破るイエス様を死刑にすることが、 |
| 神様の前に正しいことだと思ったのです。 |
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| ●弟子達 |
| イエス様の弟子達がいます。 |
| イエス様に呼ばれて従って行った人達です。 |
| イエス様と生活を共にしていました。 |
| いつもイエス様の近くに居てイエス様の話を聞き、イエス様のなさることを間 |
| 近で見てきました。 |
| イエス様を師と仰ぎ、尊敬し愛していました。 |
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| けれど弟子達はどれくらいイエス様のことがわかっていたのでしょうか。 |
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| こんなことがありました。 |
| イエス様が「必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥 |
| されて殺され、三日の後に復活することになっている」と話された時、ペトロは |
| イエス様をいさめたのでした。 |
| イエス様は叱って「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間の |
| ことを思っている。」と言われました。 |
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| こんなこともありました。 |
| イエス様が十字架に向かってエルサレムへと歩んでおられる時のことです。 |
| ゼベダイの子ヤコブとヨハネがイエス様に「栄光をお受けになるとき、わたしど |
| もの一人をあなたの右に、もう一人を左に座らせてください。」と願ったのでした。 |
| ほかの弟子達はこれを聞いて、ヤコブとヨハネに腹を立てました。 |
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| イスカリオテのユダは、イエス様を、祭司長たちに引き渡そうと思うようになり |
| ました。 |
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| 祭長達や律法学者達はついにイエス様を捕らえました。 |
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| イエス様が捕らえられた時、弟子たちは皆、イエス様を見捨てて逃げてしまい |
| ました。 |
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| ●大祭司の裁判 |
| 祭司長達や律法学者達はイエス様を裁判にかけます。 |
| 人々が色々と証言しました。 |
| けれどその証言があいません。 |
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| ついに大祭司が言いました。 |
| 「諸君は冒涜の言葉を聞いた。どう考えるか。」 |
| 一同は、死刑にすべきだと決議しました。 |
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| ●ピラト |
| この時、この地に、ローマ人のピラトがいました。 |
| 彼はローマ帝国の占領地ユダヤに総督として遣わされていました。 |
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| ユダヤ人の指導者達がイエスという男を引っ張ってきました。 |
| ピラトは裁かなければなりません。 |
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| ピラトのもとに押しかけてきたユダヤ人の群衆がいました。 |
| 「十字架につけろ」と叫びます。 |
| 騒ぎを収めなければなりません。 |
| ピラトはイエスを十字架につけると決めました。 |
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| ●ローマ兵 |
| ローマ軍の兵士達はイエス様に茨の冠を編んでかぶらせ、葦の棒で頭をたた |
| き、唾を吐きかけ、イエス様を侮辱しました。 |
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| ●ののしる人たち |
| 十字架にかけられたイエス様をののしる人達がいました。 |
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| 「おやおや、神殿を打ち倒し、三日で建てる者、十字架から降りて自分を救って |
| みろ。」 |
| 「他人は救ったのに、自分は救えない。メシア、イスラエルの王、今すぐ十字架 |
| から降りるがいい。それを見たら、信じてやろう。」 |
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| ●イエスの死 |
| 昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続きました。 |
| 三時にイエス様は大声で叫ばれました。 |
| 「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」 |
| 「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」 |
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| イエス様は息を引き取られました。 |
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| ●あなた |
| イエス様の最後の1週間にイエス様に関わった人達。 |
| 群衆、祭司長・律法学者、弟子達、ピラト、兵士、ののしる人たち・・・。 |
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| この人達は、聖書に出てくる過去の人物ですか。 |
| 2000年後に生きている今の私達には、関わりのない人達ですか。 |
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| この人達の中に、あなたがいるのではありませんか。 |
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| 先ほど讃美歌2編177番を歌いました。 |
| 黒人霊歌です。 |
| 「あなたも見ていたのか |
| 主が木に上げられるのを |
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| あのとき見ていたのか |
| 主が釘をうたれるのを |
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| あそこで見ていたのか |
| 主が槍で刺されるのを |
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| ああ、いま思い出すと |
| 深い 深い 罪に |
| わたしはふるえてくる」 |
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| ●そこにいた |
| わたしはそこにいました。 |
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| わたしは、イエス様を万歳と言って迎えておきながら、「十字架につけろ」と叫 |
| ぶ者です。 |
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| わたしはイエス様に従いながら、いざという時はイエス様を捨てて逃げました。 |
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| わたしはイエス様を知っていながら、自分の考えは正しいと思って行動しまし |
| た。 |
| イエス様は正しいと思いながら、人の言葉を恐れ、人の声に従いました。 |
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| わたしはイエス様の愛を裏切りました。 |
| わたしはイエス様をあざけりました。 |
| わたしはイエス様を十字架にかけたひとりです。 |
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| わたしは知らなかったのです。 |
| イエス様が、わたしの過ちを担い、神様に背いたわたしのために十字架に死 |
| んで執り成しをしてくださったことを、知りませんでした。 |
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| ●イザヤ書53章 |
| イエス様の十字架に関わった当時の人々がわからなかったこと、 |
| わたしもわからなかったこと、 すべての人々がわからないでいることを、イザ |
| ヤ書53章は、教えてくれています。 |
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| イザヤ書53章は、イエス様の出来事が起こる500年も前に、書かれたので |
| した。 |
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| ●十字架の出来事 |
| 3節にはこう書かれています。 |
| 「彼は軽蔑され、人々に見捨てられ、多くの痛みを負い、病を知っている。彼は |
| わたしたちに顔を隠し、わたしたちは彼を軽蔑し、無視していた。」 |
| 7節 |
| 「苦役を課せられて、かがみ込み、彼は口を開かなかった。屠り場に引かれる |
| 小羊のように、毛を切る者の前に物を言わない羊のように、彼は口を開かなか |
| った。 |
| 捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。」 |
| ここに書かれているのは、イエス様の十字架の出来事そのものです。 |
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| ●私達の思っていたこと |
| 4節に書かれていることは、イエス様の十字架に関わった人達、そして私達も |
| 思っていたことです。 |
| 「彼が担ったのはわたしたちの病、彼が負ったのはわたしたちの痛みであった |
| のに、わたしたちは思っていた、神の手にかかり、打たれたから、彼は苦しんで |
| いるのだ、と。」 |
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| ●十字架の意味 |
| そんな私達に、5節以下はイエス様の十字架の意味を教えてくれます。 |
| 「彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであり、彼が打ち砕かれた |
| のは、わたしたちの咎のためであった。彼の受けた懲らしめによって、わたし |
| たちに平和が与えられ、彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。 |
| わたしたちは羊の群れ、道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。その、 |
| わたしたちの罪をすべて、主は彼に負わせられた。」 |
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| ●的外れ |
| 私達はなんと的外れなものに救いを求めてきたことでしょうか。 |
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| イザヤの時代、バビロンに捕らえられていたイスラエルの人々は、エルサレム |
| 帰還を許したペルシャ王キュロスがメシア・救い主だと思いました。 |
| 帰還した民は、ダビデのような力ある王を待ち望みました。 |
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| イエス様の時代、長くローマ帝国に支配されていた人々はローマを打ち倒し自 |
| 分達を解放してくれる勝利するメシアを待ち望んでいました。 |
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| 今の時代も国々が自分の国こそ大国となり世界を支配しようとしています。 |
| 軍事力を強化し、世界経済の支配を目指し、人々を不安と恐怖に陥れていま |
| す。 |
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| けれどもこういうことでは、人は救われないのです。 |
| 本当の平和、本当の平安を得ることは決して出来ないのです。 |
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| 人間は道を誤り、間違った方向に向かってずっと歩んできたのでした。 |
| その行く先に救いはありません。 |
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| ●神の救い |
| 私達は羊の群れ、道を誤り、それぞれの方角に向かって行きました。 |
| 神様に向かわずに、間違ったものを目指して的外れな生き方をしてきました。 |
| 的をはずす、このことを聖書では罪と言います。 |
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| 的外れな生き方をしている私達なのに、それでも神様は見捨てられないので |
| す。 |
| 失われてはならない愛する者だから、と何とかして救おうとされるのです。 |
| 愛する御子イエス・キリストに、わたしたちの罪をすべて負わせられました。 |
| あなたの罪はキリストが贖った、だから帰っておいでと、招いておられます。 |
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| ●イエス様 |
| イエス様は神様の御心を知りました。 |
| イエス様が打ち砕かれることによって人を救うことを望んでおられることを知り |
| ました。 |
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| イエス様は「アッバ、父よ、あなたは何でもおできになります。この杯をわたし |
| から取りのけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが |
| 行われますように。」 |
| と祈られ、自らを償いの献げ物とされたのでした。 |
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| ●実り |
| イエス様の受けた懲らしめによって、わたしたちに平和が与えられました。 |
| イエス様の受けた傷によって、わたしたちはいやされました。 |
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| 私達はイエス様の苦しみの実りです。 |
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| イエス様は復活されました。 |
| ご自分の死によって、神様の望まれた救いの出来事が成し遂げたられたことを、 |
| 復活のイエス様はご覧になりました。 |
| ご自分の苦しみの実りを見、それを知って満足してくださっています。 |
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| ●神様の言葉 |
| イエス・キリストを愛する神様の言葉が聞こえてきます。 |
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| 「わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために、彼らの罪を自ら負った。 |
| それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし、彼は戦利品としておびただし |
| い人を受ける。彼が自らをなげうち、死んで、罪人のひとりに数えられたから |
| だ。多くの人の過ちを担い、背いた者のために執り成しをしたのは、この人で |
| あった。」 |
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| ●結語 |
| イエス様はわたしの病、わたしの痛みを担ってくださっています。 |
| イエス様が、わたしの罪、とがの償いとなってくださいました。 |
| ご自身の命を捨ててわたしを贖ってくださいました。 |
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| 今わたしは、イエス様の執り成しによって生かしていただいています。 |
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| イエス様、ありがとうございます。 |
| 神様、感謝します。 |
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