| <メッセージ> |
| ●呼びかける声 |
| 私達は呼びかける声を聞いています。 |
| その声は、平和を告げ、恵みの良い知らせを告げ、救いを告げています。 |
| その声は「あなたの神は王となられた」と言っています。 |
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| ●預言者の言葉 |
| 私達が聞いている言葉は、バビロン捕囚が終わりエルサレム帰還が始まる頃 |
| の預言者の言葉です。 |
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| 国が滅びバビロンに捕囚となって連れてこられて50年がたっていました。 |
| 異国の地であっても、50年も暮らしていればそこでの生活が出来上がってい |
| ます。 |
| その生活を捨て、荒れ果てたエルサレムに帰ることは大きな決断を要すること |
| です。 |
| 多くの人達はバビロンに留まりました。 |
| ディアスポラと言われている離散の民の始まりです。 |
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| ●帰還を促す言葉 |
| 今日の箇所は、バビロンに腰を落ち着けてしまった人々に、エルサレムに帰る |
| ようにと促す預言者の言葉です。 |
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| 主がシオンに帰ってこられるのです。 |
| シオンはエルサレムのことです。 |
| この頃の町は城壁で囲まれていました。 |
| 敵の攻撃を防ぐためです。 |
| 城壁には見張りがいて、周囲を警戒しています。 |
| 主が帰ってこられたことを真っ先に気付くのは、見張りの人達です。 |
| 見張りは声をあげ、皆共に喜び歌います。 |
| 彼らは主がシオンに帰られるのを目の当たりに見ているのです。 |
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| ●エルサレムへの呼びかけ |
| 預言者はエルサレムの廃虚に呼びかけます。 |
| 「歓声をあげ、共に喜び歌え。エルサレムの廃虚よ。主はその民を慰め、エル |
| サレムを贖われた。」 |
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| 主は聖なる御腕の力を、国々の民の目にあらわにされたのです。 |
| 地の果てまで、すべての人が、主なる神の救いを見るのです。 |
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| ●バビロンの人々への呼びかけ |
| 預言者は、バビロンに留まっている人達に呼びかけます。 |
| 「立ち去れ、立ち去れ、そこを出よ。」 |
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| バビロンで暮らすことが居心地良くなっていても、そこは異なる神々を拝む国 |
| です。 |
| いつまでもそこに留まっていてはいけません。 |
| その中から出て、主なる神のもとに帰るのです。 |
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| エルサレムが陥落しバビロンに捕囚となった時、神殿は破壊され、神殿の祭 |
| 具はバビロンに持ち去られました。 |
| エルサレム帰還が許されると共に、祭具を持ち帰ることも許されました。 |
| 身を清めた人々が、主の祭具を担ってエルサレムに帰るのです。 |
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| ●出エジプト |
| 預言者は |
| 「急いで出る必要はない、逃げ去ることもない。」 |
| と言います。 |
| 出エジプトのことが思い出されています。 |
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| 昔々、イスラエルの民が奴隷となっていたエジプトから脱出する時、人々は |
| 急いで出発したのでした。 |
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| エジプト王ファラオは民が去ることを認めませんでした。 |
| ついに主はエジプトの国中の初子を、人の初子から家畜の初子まで、ことご |
| とく撃たれました。 |
| エジプト人は、民をせきたてて、急いで国から去らせようとしました。 |
| そうしないと自分たちは皆、死んでしまうと思ったからです。 |
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| 民は、まだ酵母の入っていないパンの練り粉をこね鉢ごと外套に包み、肩に |
| 担いで脱出しました。 |
| ぐずぐずしていることはできなかったし、道中の食糧を用意するいとまもあり |
| ませんでした。 |
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| この出来事はイスラエルの歴史の中で最も重要な出来事です。 人々は、過 |
| 越の祭りとして代々覚え続けました。 |
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| ●バビロンから出ること |
| バビロンから出て行くことは出エジプトに匹敵する出来事です。 |
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| 預言者は言います。 |
| 「 あなたたちの先を進むのは主であり、しんがりを守るのもイスラエルの神だ |
| から。」 |
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| 今度は安全に立ち去ることが出来るのです。 |
| ペルシャ王はエルサレム帰還を許しています。 |
| バビロンを出ることについて、外側から身に迫る危険はないのです。 |
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| ただただ一人一人の決心にかかっています。 |
| 「大丈夫だ。 |
| 主はわたしたちの先頭に立って導いてくださり、しんがりをも守ってくださるの |
| だから」 |
| と、預言者は帰還をためらう人々を励まします。 |
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| ●私達に呼びかける声 |
| 今日、私達は私達に呼びかける声を聞いています。 |
| その声は、平和を告げ、恵みの良い知らせを告げ、救いを告げています。 |
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| 今、私達が聞く良い知らせは、イエス・キリストが来られた、という知らせです。 |
| キリストによる救いを告げる言葉です。 |
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| ローマの信徒への手紙には、今日のイザヤ書の言葉が引用されてこのように |
| 書かれています。 |
| 「御言葉はあなたの近くにあり、あなたの口、あなたの心にある。」これは、わた |
| したちが宣べ伝えている信仰の言葉なのです。 |
| 10:9 口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中か |
| ら復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです。 |
| 10:10 実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。 |
| 10:11 聖書にも、「主を信じる者は、だれも失望することがない」と書いてあり |
| ます。 |
| ・・・ |
| 10:13 「主の名を呼び求める者はだれでも救われる」のです。 |
| 10:14 ところで、信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。聞いたこ |
| とのない方を、どうして信じられよう。また、宣べ伝える人がなければ、どうして |
| 聞くことができよう。 |
| 10:15 遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう。「良い知らせを |
| 伝える者の足は、なんと美しいことか」と書いてあるとおりです。」 |
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| 私達は、宣べ伝える声を聞いたのでした。 |
| その声は言いました。 |
| 「イエス・キリストが来られた。 キリストがすべての人のすべての罪を負って |
| 十字架にかかってくださった。 |
| キリストは復活された。 |
| だから、私達は主なる神のもとに帰ることが出来る。 |
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| さあ、主のもとに帰ろう。 |
| 大丈夫、 |
| キリストが私達の先頭に立って連れて行ってくださるから。 |
| 誰一人落ちこぼれないように、キリストがしんがりを守ってくださっているのだ |
| から。」 |
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| 私達はその言葉を聞いて、主を信じました。 |
| 私達は主を呼び求めて生きています。 |
| 私達が帰っていくのは神の国です。 |
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| ●先立ち給う神 |
| 神の国を目指して歩む旅路には、様々な困難があります。 |
|
| 迷うことがたくさんあります。 |
| 目の前に開かれているいくつかの道、どの道を行けばいいのかと迷います。 |
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| 歩いてきた道が突然閉ざされることもあります。 |
| この先どうすればいいのか、目の前が真っ暗です。 |
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| 先に進めなくなって立ちすくむわたしは、ふと、わたしの前を歩いておられる |
| 主に気付くのです。 |
| 主は言われます 、 |
| 「さあ、わたしについておいで。」 |
|
| 先だってくださる主のあとについてわたしは歩き始めます。 |
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| ●しんがり |
| それでも歩けなくなる時が来ます。 |
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| 一緒に歩いていた人達の姿がだんだん小さくなっていく。 |
| 懸命に前を見ているわたしの目から消えてしまった。 |
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| みんなみんな先に行ってしまった。 |
| わたしはひとり取り残された。 |
| もうだめ。 |
|
| その時です。 |
| わたしのうしろに気配を感じます。 |
| 振り向いてみると、そこにイエス様がおられるのです。 |
| 一番最後になってしまった、しんがりになってしまったわたしの後ろにイエス |
| 様がいてくださったのです。 |
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| イエス様は言われます、 |
| 「わたしがいるよ。」 |
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| イエス様は、わたしを追い越すことを決してなさいません。 |
| わたしが歩ける速さに合わせて歩いてくださいます。 |
| わたしが疲れて腰を下ろして休むと、イエス様も一緒に腰を下ろしてください |
| ます。 |
| わたしがもう一歩も歩けないとき、イエス様はわたしを負ぶって歩いてください |
| ます。 |
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| ●涙が出る |
| イエス様がわたしの先に立って歩んでくださることは感謝です。 |
| 先だってくださらなければ、わたしは道を歩めません。 |
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| でもそれ以上に感謝なことは、しんがりにいるわたしのうしろにイエス様がいて |
| くださることです。 |
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| みんなから置いていかれた、 |
| ひとりぼっちでうずくまるわたしのうしろにイエス様がいてくださった。 |
| 涙が溢れます。 |
| 「イエス様は誰一人置き去りにされることはないのですね。 |
| すべての人をひとりのこらず救ってくださるのですね。」 |
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| ●たとえ話 |
| イエス様がたとえ話をしてくださいました。 |
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| 「ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を |
| 山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。 |
| はっきり言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、 |
| その一匹のことを喜ぶだろう。 |
| そのように、これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父 |
| の御心ではない。」 |
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| ●羊飼いキリスト |
| 群れの先頭に立って羊を導く羊飼いイエス・キリストは、一番最後の羊のその |
| うしろを歩く羊飼いでもあられます。 |
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| 主イエス・キリストは、すべての人々の先頭に立って歩まれます。 |
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| 主イエス・キリストは、すべての人々のしんがりになった人のその後ろにおら |
| れます。 |
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| すべての人は主イエス・キリストの中に入れられています。 |
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| 人々はみんなキリストに囲まれて、神の国へと帰って行くのです。 |
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| ●結語 |
| 今、私達はキリストにすっぽりと包まれて、神の国を目指して歩いています。 |
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